「肥満=悪」「痩せる=正義」
そんな価値観にモヤっとしたこと、ありませんか?
トレーナーとして私が思うのは
“痩せているかどうかよりも、健康であるかどうか”が本質。
だから「痩せたら人生が変わる!」なんて安易な言葉は使いません。
ただし———
肥満にはリスクがあるという現実も、きちんと知っておいてほしいのです。
今回は「肥満による身体への影響」と
「健康的な向き合い方」についてお伝えします。
肥満でも幸せに暮らしている人はたくさんいます。
それは本当に素晴らしいことです。
ただし、医学的にみると肥満状態では
体の中で慢性的な炎症が起こっていることがわかっています。
脂肪細胞から分泌される「アディポサイトカイン」という物質の中には
炎症を引き起こす悪玉(※悪玉アディポサイトカイン)もあります。
この状態が長く続くと、少しずつ体のバランスが崩れていきます。
脂肪細胞から分泌されるホルモンや物質が、体の色んなところに影響します。
代表的なものを見てみましょう。
● レジスチンやTNF-αという物質が増える
● インスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなる
● 日本人はもともとインスリン分泌量が少ないため
太っていなくても糖尿病になりやすいのが特徴
● アンジオテンシノーゲンが多く分泌される
● 血管が収縮し、血圧が上昇
● IL-6やPAI-1などの分泌が増え、血管内で慢性的な炎症が起こる
● 血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる
肥満のリスクは、生活習慣だけではなく遺伝的要素も関係しています。
「家族に糖尿病や高血圧の人が多い」場合は
少し意識して早めに生活を整えることが大切。
大切なのは、誰かの価値観に合わせることではなく
“自分の体をどう守るか”を自分で選ぶことです。
理想の体型は人それぞれ。
重要なのは「見た目」ではなく「中身(内臓・代謝)」の健康です。
だからこそ、極端なダイエットや過度なトレーニングは必要ありません。
● 栄養バランスのとれた食事
● 1日30分の軽い運動
● 睡眠とストレスケア
この3つを整えるだけでも、体は驚くほど変わります。
痩せることが目的ではなく
健康で自分らしく生きるために体と向き合うことが大切。
「肥満のリスクを知ること=自分を責めること」ではありません。
正しく知って、正しく選ぶ。
その積み重ねが、あなたの未来の健康を守ります。